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昨年7月にヨーロッパ短期強行旅行に行った帰りの飛行機の中で。

私は仕事の都合で、友人より一足先にパリからミラノを経由し、アリタリア航空で関空へ帰るところでした。

ミラノからはほとんど夜であり、ボーっと個人用テレビを見ていたところ、今までありそうで聞いたことなかったアナウンスが・・・。


「機内で体調不良の方がおられます。お客様の中でお医者様はおられませんでしょうか。もしおられましたら、客室乗務員までお申し付けください」


にわかに緊張感が走る。

私は医者といっても、研修医をついこないだ終えたばかりで病院ではまだまだ下っ端。しかも、そこそこ大きな病院というものは、絶えず同僚たちと意見交換しながら診断・治療を進めていくのが基本である。治療を進めるにあたっては、似たような症状を示す別の疾患と間違わないよう、随時必要な検査が行われていく。

しかし、今は一人ぼっちで空の上。機内には救急箱があるとは聞くが、この外資系の航空機に普段と同じ薬や道具が載っているとは到底思えない。実際のところ、慣れない環境での仕事は慎重に行わないと危険である。ひとつ間違うと患者さんの命すら左右してしまうかもしれない。

ところで、患者さんはどんな状態?
まさか、かなり危険?意識は?
もっとベテランの先生が名乗り出ないかしら??


「お客様のなかで・・・」

2回目のアナウンスが入ったということは、他に誰も医者が乗っていないということか。これはまずい。

覚悟を決めて、近くのイタリア人客室乗務員を呼び止める。

「I am a doctor」

すると、彼女は振り返り、私を見てしばらく無言。
『えー?あんたが??』
とでも言わんばかりだ。
しかし、その後、

「カモーン!」

と言って私についてくるよう促した。

連れて来られた所はビジネスクラス。中年の日本人男性が床に横たわっていた。横に日本人乗務員が心配そうについていた。
意識は、ある。気分が悪いらしい。
救急箱は医師同席の下で開けられるらしく、中を開けてもらいまさぐっていると・・・、

なんと、もう一人男性が現れた。30代半ばの、少なくとも私よりベテランの医師!!神経内科の先生らしい。
今までの張り詰めた緊張が少しほぐれ、すぐさま主導権をベテランに譲る。
あとはもうお手伝いお手伝い。
「あ、血圧測りますー」「脈とりますー」
などと、ひたすら補佐につとめたのでした。

少し血圧が低くなっていたらしく(本人曰くたまにあるらしい)、機内の椅子(ビジネスクラスなのでむしろベッド)にゆったり寝て様子を見ることになった。とても良い先生で、丁寧に患者さんに説明されていた。

よかった。

何もしていないが、なんだか満足して自分の席についたのでした。


帰国後2週間ほどしてから、アリタリア航空からお礼状と共に小包が届いた。お礼の品か!!
開けてみると、ベージュのキャンバス地のトートバッグが入っていた。
Made In China

「これを使ってこれからも仕事頑張ってね」
ということかも、と思い、今は当直お泊りセット入れとして活躍しています。

プレゼント

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2006.09.05 / Top↑
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